Q:ミネベアミツミの事業別売上構成を教えてください

ミネベアミツミの事業別売上構成(2026年3月期)
ミネベアミツミの直近通期(2026年3月期)の連結売上高は1兆6,643億8,700万円(前期比9.3%増)で、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。
事業セグメント別に見ると、最大セグメントは半導体・電子部品系のセミコンダクタ&エレクトロニクス(SE)事業で、半導体デバイス、光デバイス、機構部品及び電源部品が主な製品であり、売上高は5,902億6,300万円と前期比16.1%の増収となりました。全社売上の約35.5%を占めます。次いでモーター系のモーター・ライティング&センシング(MLS)事業が、電子デバイス、HDD用スピンドルモーター、センシングデバイス、各種モーター類を主な製品とし、売上高4,565億1,700万円(前期比6.9%増)で構成比約27.4%。自動車部品系のアクセスソリューションズ(AS)事業は、キーセット、ドアラッチ、ドアハンドル等の自動車部品や産業機器用部品が中心で、売上高3,322億4,900万円(前期比1.3%増)、構成比約20.0%です。ベアリング系のプレシジョンテクノロジーズ(PT)事業は、主力のボールベアリングのほか、航空機用ロッドエンドベアリング、HDD用ピボットアッセンブリー等を主な製品とし、売上高2,811億5,100万円(前期比10.0%増)で構成比約16.9%。このほかソフトウエアの設計・開発及び自社製機械を扱うその他事業が売上高42億700万円(構成比約0.3%)あります。
ここで注目すべきは、売上と利益の構造が異なる点です。PT事業は売上構成比こそ約17%と4セグメント中最小ですが、営業利益は622億4,500万円と全セグメント中最大で、全社営業利益(約1,040億円)の約6割を稼ぐ収益の柱となっています。
ミネベアミツミの業種分類について
さて、同社は東証の33業種分類において「電気機器」に分類されていますが、この分類は売上構成の観点からは妥当と言えます。SE事業(35.5%)とMLS事業(27.4%)を合わせて売上の約63%が半導体、光デバイス、電子デバイス、モーター、センシングデバイスといった電気・電子系の製品で占められており、業種分類は一般に売上高の過半を占める事業を基準とするためです。実際、市場では村田製作所、TDK、三菱電機といった電気機器の代表銘柄と比較されることが多い銘柄です。
一方で、この分類が同社の実態を完全に捉えているかについては留保が必要です。同社はミネベアとミツミ電機の経営統合で誕生した総合精密部品メーカーで、ミニチュアボールベアリングなどで世界トップシェアを持つ企業であり、前述の通り利益面では機械・精密機器的な性格を持つベアリング事業が収益の柱です。また、AS事業(構成比20%)は自動車部品が中心で「輸送用機器」的な性格を帯びています。つまり、売上に注目すれば電気機器メーカー、利益の源泉に注目すれば機械・精密部品メーカーという二面性を持つ、業種横断的な企業です。
まとめると、売上構成を基準とする形式面では「電気機器」分類は妥当ですが、同業比較やバリュエーション分析の際には、ベアリングや自動車部品の要素も含むコングロマリット的な事業構造を踏まえ、電気機器セクターの平均値との単純比較では実態を見誤る可能性がある点に留意が必要です。
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