Q:日東電工(株)が化学に分類される理由を教えてください
日東電工が「化学」に分類される理由
「電工」という社名から生まれる違和感
日東電工という社名を見ると、住友電工や古河電工のような電線・電気機器メーカー、あるいは電気工事会社を連想するのが自然です。実際、住友電工は「非鉄金属」、パナソニック(旧松下電工を統合)は「電気機器」に分類されています。それなのに日東電工だけが「化学」となると、「電工なのになぜ化学?」と疑問を持つのは当然のことです。
この社名は、1918年の創業時の事業である電気絶縁材料(絶縁テープ)、つまり「電気向けの工業材料」に由来しています。その後、事業の軸足がテープやフィルムなどの高分子製品へと移った結果、社名の印象と実際の業種分類との間にずれが生じた、というのが背景です。
主力製品が化学製品であること
日東電工の代表的な製品は、粘着テープ、偏光板などの光学フィルム、半導体プロセス用テープ、逆浸透膜(水処理膜)、核酸医薬の原薬などです。これらはいずれも樹脂・粘着剤・フィルムといった化学素材をベースにしており、電機メーカーのような「機器の組み立て」ではなく、素材そのものの設計・合成・塗工が事業の本質です。
コア技術が化学に根ざしていること
同社は「接着(粘着剤設計)」「塗工(コーティング)」「高分子機能化」「高分子分析・評価」といった基盤技術を組み合わせて製品を生み出しています。創業以来、一貫して化学素材メーカーとして発展してきた企業なのです。
分類上の位置づけ
証券取引所の業種分類は、売上構成の中心となる事業内容に基づいて決められます。日東電工の製品はエレクトロニクス業界向けが多いため「電気機器」の印象を持たれがちですが、供給しているのはあくまで機能性材料・フィルムなどの化学素材です。そのため「電気機器」ではなく「化学」に区分されています。同様に、スマホ部材を手がける住友化学やJSRなども化学に分類されています。
まとめ
つまり、「何の業界に売っているか」ではなく「何を作っているか(化学素材・材料)」が分類の根拠であり、社名の「電工」は創業時の事業の名残にすぎない——これが、日東電工が化学セクターに属する理由です。
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